食事・食品が医薬品に及ぼす影響に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
⑴ 高たんぱく質食は、レボドパ（L-ドーパ）の吸収を促進する。
⑵ 高脂肪食は、EPA製剤の吸収を抑制する。
⑶ ヨーグルトは、ビスホスホネート薬の吸収を促進する。
⑷ グレープフルーツジュースは、カルシウム拮抗薬の代謝を抑制する。
⑸ セント・ジョーンズ・ワートは、シクロスポリンの代謝を抑制する。
正解は・・・
⑷ グレープフルーツジュースは、カルシウム拮抗薬の代謝を抑制する。
■解説■
⑴ 高たんぱく質食は、レボドパ（L-ドーパ）の吸収を阻害する。
⑵ 低脂肪食は、EPA製剤の吸収を抑制する。
EPA 製剤は、脂溶性である。
空腹時や低脂肪食ではEPA製剤の吸収が抑制される可能性があるため、食後の服用がすすめられている。
⑶ ヨーグルトは、ビスホスホネート薬の吸収を阻害する。
腸管内でビスホスホネート薬とヨーグルトに含まれるCaカルシウムが結合してしまい吸収が十分に行われなくなる。
⑷ グレープフルーツジュースは、カルシウム拮抗薬の代謝を抑制する。
グレープフルーツに含まれるジヒドロクマリンがカルシウム拮抗薬の代謝を抑制するため、Ca拮抗剤の分解が遅くなり、血圧が過剰に下がってしまうことがある。
⑸ セント・ジョーンズ・ワートは、シクロスポリンの代謝を亢進する。その結果、薬理効果が低下する。
セント・ジョーンズ・ワート：和名セイヨウオトギリリソウ
ハーブやサプリメントとして近年健康食品として広く摂取されている
免疫抑制剤であるシクロスポリンを処方された患者がセント・ジョーンズ・ワートを摂取している場合、
シクロスポリンの血中濃度が徐々に低下し、シクロスポリンの薬理効果が十分に得られない場合がある 。